正安寺長男陽俊氏【嗣法】儀式

行事

 曹洞宗では、僧侶が沙弥(しゃみ)から住職(じゅうしょく)に至る段階について、得度(とくど)・立職(りっしょく)・嗣法(しほう)・転衣(てんえ)・瑞世(ずいせ)・首先住職研修会(しゅせんじゅうしょくけんしゅうかい)等の儀式と、証明書類の作成申請を歴て、初めて各寺院の住職の申請をする資格を有することができるのです。
 また、それぞれの儀式の際には証明書類とは別に、得度の際の師匠である慈恩師(じおんし)、立職の際の法幢師(ほうどうし)、嗣法の際の本師(ほんし)等から頂戴する血脈(けちみゃく)や圓鏡(えんきょう)、嗣書(ししょ)や大事(だいじ)もあり、弟子だけでなく師匠となる側も、様々な儀式の準備や手配のみならず、古伝の墨跡等も用意する必要に逼られます。
 特に血脈・嗣書・大事等は三物(さんもつ)と称され、自らの修行や師匠を含めた経歴の証明となる大切なもので、各修行堂場の雲水は必ずこれらを持って入門することとなります。
 本年七月は、正安寺現住職長男である陽俊師が、大本山永平寺二年目に当たる修行の中、現卅七世正安寺住職を本師とする嗣法の儀式のため、一時他出を許可され、無事に諸加行(かぎょう)を勤め了じることができました。
 未だ修行中並びに、今後の儀式申請書類等の準備もあるため、後継者としての選任までには至りませんが、檀信徒皆様方には、順次段階を踏みつつ成長している姿を念じていただき、少しでも安心と信頼を寄せていただければ幸甚であります。