令和5年8月13日[新盆施食法要]の様子

行事

 例年の如く、8月13日(日)には、新盆家のご家族皆様方に正安寺にご上山いただき、午前中に12名の和尚様方ご随喜のもと、合同新盆施食法要をお勤めさせていただきました。
 本年は、63名の新盆に当たる御霊の方々、被災された物故者並びに戦没者の方々の安寧とご冥福、また今は亡き故人に対しましては、残されたご家族ご親族が、故人のご供養を通じて再び前向きで、直向きな生活に向かえるよう、更なるご冥護を祈念させていただきました。
 「無事是貴人(ぶじこれきじん)」なる言葉もある通り、人は誰しもが特別な何かを求め、また特別な誰かになりたい、という欲求を秘めながらも、望み通りの生活を手に入れ満足している、等と公言できる者は、存在したとしても、ほんの一握りのはずです。
 人々、それぞれの環境や状況に在って、互いにどこかで譲り合いながら、自分だけで無く、近しい誰かのために生きている、これも現実です。
 当然の如くに在った近しき存在の、突然その姿を失う悲しみと心細さは、残された遺族に対して、理屈とは違った焦燥感を抱かせます。
 ですが同時に、ご生前以上に故人の大きさや、その心情の厚さ等、愈々尊く大切だったことを再認識するのです。
 人はまさに人の間に立ち、そして苦難を巡り回り、生涯をかけて喜怒哀楽の波を泳ぎ、一人格を定めるのかもしれません。
 特別な事がなくとも、特別な何かでなくとも、家庭を守りながら自らを生み育て、無事にその親を見送ることが出来る、一人前にしていただいた事実、これこそが「貴人」の証左といえましょう。
 私達後進の者は、つらつらと重なりながら、次世代の礎となるべく、たとえ僅かでもより良い日本社会になる為の貢献をしてきたと、自信を持って故人やご先祖に伝えられる、生涯を目指すべきでしょう。
新盆家並びに諸精霊に香語を唱える            
施食棚へ供養に向かう導師            
法要参加者の方々