僧侶となるために、仏式にて執り行われる最初の儀式。正安寺現住職にとっては、今回三回目となる自身の三男(15才)を得度いたしました。この得度(とくど)を勤められると、正式に宗派の僧籍簿に記録され僧侶の一員となります。
また、この儀式の際に師から弟子へ授与されるものが三物(さんもつ)といわれる中の一つ、血脈(けちみゃく)です。
お釈迦様から始まり、得度式を勤めた本人まで、歴代の和尚様方の法系を古書式に則り、師が墨跡されたもので、生涯にわたる宝物となります。
また、この得度式に際してお血脈を授与された師匠のことを慈恩師(じおんし)と称して、本人にとっては生涯の模範となるべき三師の一人となります。
得度式はあくまで僧侶となる入口であり、この後更に【結制法戦式】【僧堂安居】【瑞世】【嗣法】【教師資格申請】【住職資格任命】等を経て、各寺院の住職となります。
現在では凡そ半数以上の寺院が、寺院収入のみでは黒字化不可能として、他の職業との兼業や就職活動等のため、後々の【教師資格(きょうししかく)】である、僧侶としての権限の規制が大きくなることも覚悟の上で【僧堂安居(そうどうあんご)】を短縮される、後継者も多いと窺います。
ちなみにこの後【結制法戦式】を勤め圓鏡(えんきょう)を授与下さる師を法幢師(ほうどうし)、【嗣法】の際に嗣書(ししょ)ならびに漸次期間の後大事(だいじ)を授与下さる師を本師(ほんし)と称して、この三師を敬うこととなります。
三物(さんもつ)とは前述中の、【血脈】【嗣書】【大事】のことを示します。
令和5年7月24日三男の【得度式】をお勤め。
行事