講座(4)『修証義』の教え㉑

仏の教え

 第2章「懴悔滅罪」のつづき

 〇「我昔所造諸悪業、皆由無始貪瞋痴、従身口意之所生、一切我今皆懴悔」(がしゃくしょぞうしょあくごう、かいゆうむしとんじんち、じゅうしんくいししょしょう、いっさいがこんかいさんげ)、是の如く懴悔すれば必ず仏祖の冥助あるなり、心念身儀発露白仏すべし、発露の力罪根をして銷殞(しょういん)せしむるなり。


【用語解説】
 三毒=貪り・瞋り・愚痴。
 三業=身・口・意を介在して起きた現象。


【本文解説】
 「我昔所造諸悪業、皆由無始貪瞋痴、従身口意之所生、一切我今皆懴悔」の四句については、古来【懴悔文】(さんげもん)と呼称され、宗門においても【開経偈】【三帰戒文】【三帰礼文】【四弘誓願文】等とならび、教えの根幹を担うべき、大層重要な文言とされてきております。要約すればおよそ次のような内容となります。「私たちはみな、己自身も気づかぬうちに、様々な過ちを重ねてきております。それらは元来、人間の心の奥底に潜む煩悩、貪(とん)・瞋(じん)・痴(ち)の三毒を源とし、それらを己が身(しん)・口(く)・意(い)の三業によって、表出したものであります。今こそ、仏の御前にて自らを顧みて、それら一切を懴悔いたします。」 つづく
             
元旦、二日に山主ご住職が御参拝、ご挨拶の来賓と相見された居室の荘厳。