講座(4)『修証義』の教え①

仏の教え

はじめに

 『修証義』(しゅしょうぎ)は、明治時代に曹洞宗檀信徒のために流布された、日本の仏教会においても最も新しく、極めて異例な独自のお経といえましょう。
 また、曹洞宗檀信徒一人一人にも、曹洞宗御本山の一つでもある永平寺(えいへいじ)および、永平寺を開かれた道元禅師(どうげんぜんじ)にも信慕いただけるよう、道元禅師の主著『正法眼蔵』(しょうぼうげんぞう)九十五巻の中から、重要かつ理解しやすい文言を抜粋し、それらの内容が齟齬無く感じられるように工夫され、記されているという点では、それまでの一般的経典とは、また別な付加価値があるともいえます。
 特に現代の私たちにも理解しやすいよう口語体としており、その構成は五章、三十一節、三千七百余文字より成り立っています。
 
「森羅万象 古仏之景(かげ)」