講座(2) 葬儀式の内容「本葬儀②」

仏の教え

 当地域の曹洞宗寺院における本葬儀式(ほんそうぎしき)当日の流れは、およそ下記のようになりますが、儀式の要は「授戒」(じゅかい)と「引導法語」(いんどうほうご)となります。

 ①授戒(じゅかい)
 ②棺前念誦(かんぜんねんじゅ)
 ③挙棺念誦(こがんねんじゅ)
 ④引導法語(いんどうほうご)
 ⑤山頭念誦(さんとうねんじゅ)
 ⑥大練忌法要(だいれんきほうよう)

①「授戒」については前述した通りですが、菩提寺の和尚様方がお釈迦様から、歴代の祖師方を介して脈々と受け継がれてきた「戒律」を今は亡き故人にお授けさせていただき、受け継いでもらうもので、曹洞宗では「十六条戒」(じゅうろくじょうかい)なる十六種の規則から成り立っております。

 イ、「三帰戒」(さんきかい)
   ①南無帰依仏(なむきえぶつ)
   ②南無帰依法(なむきえほう)
   ③南無帰依僧(なむきえそう)
 南無とは互いを敬い、合掌礼拝する姿といえましょう。帰依とは一心に余念を捨てて、という意味です。仏はお釈迦様、法はお釈迦様が理解された世の道理、法則、僧は梵語のサーンガ(僧伽)から転じた言葉で、本来はその道理や教えにしたがって同じく勤める仲間、仏教徒を示す言葉ですが、現在ではその代表者である僧侶を示す言葉と解釈されているようです。
 これら三つを仏・法・僧の「三宝」(さんぼう)といい、仏教の根幹であることを理解して、我執や私心、余念に惑わされることなく、一心に敬い自らも加わろうとする思いを「三帰戒」と申しております。
                   
                  
正安寺境内に咲く花々。