講座(2) 葬儀式の内容 ①はじめに

仏の教え

 現在の仏式(ぶっしき)による葬儀式(そうぎしき)では、「枕経」(まくらきょう)→「お通夜」→「本葬儀」→「火葬場」→「初七日法要」→「お斉席」(おときのせき)→「四十九日御納骨」の形式が一般的とされていますが、これら儀式の順序も同じ宗派といえども、地域によって様々で例えば、地方においては「火葬場」の法要を先にお勤めした後に、「本葬儀」式へ移行される場合が多く見受けられます。
 また、「枕経」はその名称の所以通り、古来医学が未だ発達していなかった時代、御逝去されたと見聞されたその場、あるいはすぐ後に和尚様にご来駕(ごらいが)いただき、故人が生前の今までの様々な苦悩を引きずらずに、旅立てるようにとお勤めし、お唱えさせていただいた読経(どきょう)ですが、現代は医学の発達、社会変化等も含め、あるいは病院で、または事件にて、災害にて等、自宅で明らかに自然死であると判断される場合の方が少なくなり、「枕経」を実際にお勤めすることが難しいため、「お通夜」と「枕経」を同義として、葬儀式を「お通夜」からお勤めする形式が多いのではと思われます。
 さらに葬送(そうそう)の儀式は親族にとっては、突然のことでもあり不慣れな場合も多く、昨今では専門知識を備えた葬祭業者の方等を介して、進行されることがほとんどでもあります。
 その場合、特に「火葬場」を先にお勤めされる地方に於いては、御見舞やご焼香下さる方々、また御斉席(会食)にお着きいただく方々を、長らくお待たせすることは忍びない、という理由も有ってか、俗に内引導方式(うちいんどうほうしき)等と言われている、「本葬儀」と正式には後日、自宅あるいは墓所にてお勤めされる「初七日・四十九日法要」を一緒にお勤めし、ひきつづき同祭場にて「御斉席」を設ける方法が一般的となりつつあるようです。
 正安寺ではこうあるべきではなく、実際に時代ととも変遷してきた事実もご理解頂きながら、各ご家庭の状況等により、様々な例もご紹介させていただき、なるべく各家庭の喪主方のご希望、ご意向に添いながらお勤めさせていただいてもおります。
 生前中にある程度の準備をしておきたい、「生前御戒名」を頂戴したい、予算的な相談もしておきたい等、電話にて予約していただければ、時間を設けますので、気兼ねなくご相談下さい。
            
正安寺では、檀信徒どなたでも寺内での葬儀式が出来ます。寺院内葬儀式の様子。