講座(4)『修証義』の教え㊵

仏の教え

 前号からのつづき
 【本文解説】
「愛語」とは、どのような立場の者に対しても、おおらかな心持ちにて、分け隔て無く言葉を発するという教えです。
 まさに親が赤子をあやしながら、発するが如き言葉を愛語というのです。本人に良きところがあれば、更に自信が持てるようにほめ示し、悪しきところがあれば、益々思いやりの心をもって戒め、本人に気付かせるべく勤めるのです。
 どのような争い事も、いさめ落ち着かせる根本には、愛語を用いるのです。直に思いやりの言葉を聞くとき、その顔はほころび、心は穏やかになり、間接的に愛語に接したときには、その言葉を自身への戒めとして、心の奥深くに刻み込むものです。
 言葉が決して世の全てではありませんが、言葉の中に、その発した者の心や姿が現れ、人や社会を動かし、また人を救うこともあるのです。
 私達仏教徒は言葉の重みと同事に、「愛語」を心がける互いの心持ちが、廻りまわって社会を清々しくすることも思慮すべきでしょう。
佐久石階段脇の竹垣は当山庭園管理、楽月園によるもので編み方は勿論、腐食防止に銅板屋根を付すなど、細部までこだわっている。