社会の中の【仏教用語】他⑤因果応報と諸因諸果

社会の中の【仏教用語】他

 そうとは知らずに普段、世間で用いられている仏教用語の数々ですが、本来とは違った解釈で使用したり、理解されている方々も居られるようです。
 因果応報(いんがおうほう)と言われると、誰もがまず自業自得(じごうじとく)を思い浮かべがちですが、仏教で説かれる因果応報とは、あくまで諸因諸果(しょいんしょか)、すなわち諸々(もろもろ)の原因の積み重ねによって、諸々の結果が生ずる、という教えであり、決して自業自得のみがその内容の全てではありません。
 自業自得を述べる際には、自業他得、他業自得、他業他得も合わせ、諸因諸果として示さなければ誤った解釈に陥る可能性が高くなります。
 人の世は己の力量のみでは、如何ともし難いこともあるものです。
 それは世の仕組みが、己の努力のみがそのまま全て結果として現れる「自業自得」のみでなく、他者の働きや影響を自らが受けたり「他業自得」、直接ではなくとも他に対する自身の対応や「自業他得」、他者が他者に行った内容が「他業他得」、己の仕事や関係者、家庭等に巡りまわって、影響することもあるからです。
 だからといって諸因諸果を理由として、はじめから己の力を尽くすことを怠るならば、他の諸因がどれほど優れていようとも、己が心の底から満足できる結果は、永遠に訪れはしないであろうと説かれるのです。
                
                 
永代供養権付夫婦墓「正安寺やすらぎ墓苑」、檀信徒以外の方でもお申込み出来ますので、ご親戚やご友人等にも対象となられる方々にお勧め下さい。