【伝統工房 永縁(えん)】は、以前にもご紹介した通り、宗像商会の後継的な会社として、本社を岩手県盛岡市に移し社名も変更しながら、以降も変わりなく全国の寺院に対応した、仏像や仏具、欄間から寺院または檀信徒用敷物等を個別作成可能とする、製作集団の会社です。
材質や値段との兼ね合いも含め、相談しながら住職の希望に沿える方法を考慮しながら、時には外材の輸入等も視野に入れ、大量の注文を良い材質で、コストを抑えながら作製する方法も検討していただけます。
また、前宗像商会時代からの製作物が倉庫に残されている場合もあり、思わぬ時に仁王像や大型木魚等が出現することもあるようです。
今回、当正安寺に納められた聯(れん)も近年、同様に倉庫の奥から発見されたもので、道元禅師の有名な漢詩が刻まれたものでした。欅の一枚板に文字が浮き出るように、手彫りにて刻まれたもので、その全長と重さ、大きさから掲げられる寺院の法堂も限られることから、長く放置されていたのでは、というお話しでした。
当正安寺を担当する萩原さんから、たまたま聯の存在を伺いそれならばと、正安寺の法堂の丸柱との相性を調査さから始まり、最終的に納品に至ったものです。
現在、素材の欅板を求め、浮かせ文字を手彫り彫刻で製作するならば、相当高価な物品となってしまうでしょうが、宗像商会時代からの正安寺と永縁(えん)との関係や、現品発見の経緯等も検討、互いの思慮するところも気兼ねなく話し合い、ご縁を結ぶことが出来ました。聯(れん)に彫られた道元禅師の漢詩は以下の通りです。
西来祖道 我伝東
釣月耕雲 慕古風
世俗紅塵 飛不到
深山雪夜 草菴中
(読み下し文)
西來の祖道、我東に伝う
釣月耕雲、慕古たる風
世俗の紅塵、飛して不到たり
深山雪夜、草菴の中
(訳)
西方から来る仏祖の道を、我もまたまた東方に伝える。
為すべき日々に身を置き、仏祖の古道に慕うれば
巷間の塵埃や噂話も、この耳にまでは届かない。
まさに深山の雪夜にして、草庵中の静処閑居である。
【伝統工房 永縁(えん)】岩手県盛岡市上厨川字新田92-8
電話019-656-9026
Fax 019-656-9027
【伝統工房 永縁(えん)】法堂大間の丸柱に聯(れん)を設置
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